大八木町交差点の歩車分離信号を視察して

■歩車分離信号では対自転車事故も激減

歩車分離信号は、横断歩行者の安全を目的として、2002年9月警察庁が人と車を分けて流す信号を歩車分離式信号と呼称し、全国の警察に普及の通達を行ったことが始まりです。

通達のきっかけとなったのは、平成13年度に実施した全国100交差点で「歩車分離制御のモデル運用」を行い、人対車両事故が30件から8件に73%減少し、渋滞については大きな変化が見られなかったなど、大変良い結果であったからです。試験運用では、車両相互の事故も 148件から103件と30%減少していました。これは、対自転車の事故を車両相互として計上されているためです。そのため減少の多くには、対自転車の事故が含まれています。

従って、歩車分離信号は、歩行者の安全確保だけでなく、横断歩道を利用する自転車の安全確保にも大きく貢献していたといえます。

■視察を終えて

今回改善された大八木町交差点の周辺には、同じように青信号の巻き込み事故で亡くなった自転車通学生たちの事故現場が点在しています。群馬県は、自転車通学生事故が全国1位と不名誉な記録を更新していますが、自転車が加害者となる割合は、県別で中学生が22位で高校生は36位と全国平均以下です。群馬県が他県の学生と比較して乱暴な走行をしているわけではありません(2024年度)。

押ボタン式信号のある横段歩道を自転車で渡る生徒の写真です。

我国は、これまで経験したことのない少子高齢人口減少社会に突入しています。
自転車通学生を含めた子どもの命は、親の大切な宝であり次の世代を支える国の宝物です。
歩車分離信号で横断者を守ることは、ドライ バーを守ることにつながり、ドライバー家族の幸せを守ることにもつながります。

群馬県警には、大八木町交差点を、歩行者のみならず自転車通学生をも守る、押しボタン式歩車分離信号の良き例として、全国に先駆け新たな視点で歩車分離信号の普及に期待したいと思いました。
(東京都八王子市在住)

 

手描きのペン画です。
かれたヨモギとツグミ

(会員K・Tさんの絵)