『突然「被害者遺族」となって… 〜9歳で生涯を終えた息子と共に歩む道〜』

1. ご挨拶

初めての投稿となります。私は北海道札幌市に居住しております西田圭と申します。
本年6月より入会させていただきました。
よろしくお願いいたします。

まさか自分がこの会に入会し、このような投稿をするとは過去夢にも思っておりませんでした。ただ、むしろ今でも悪い夢であって欲しいと思っている自分がいます。

私たち家族は昨年5月16日より、突然被害者遺族と呼ばれるようになりました。私たち家族の中で最も明るく太陽のような存在であった三男の倖(こう:享年9歳8ヶ月)が、一人の身勝手で無謀な運転手によって命を奪われ、たった九年という短い生涯を終えてしまったのです。

息子を失い早1年が過ぎました。おかげさまで 周囲の方々が本当に親身に接してくださり、私たち家族(妻、長男、次男)は事件前と変わらぬ日常を過ごせております。

周りの方々は私たちを気遣ってくださり「どう、少しは落ち着いた?」と声をかけてくださいます。しかし今、心情が落ち着くことなど何もなく、日々過ごす毎に息子倖を守ってあげられなかった自責の念は深まり、現世を生きることの辛さは日々増し癒える日など来ないことをようやく自覚してきたところです。交通犯罪に限らず、犯罪被害で大事な家族を傷つけられた家族は皆同じ心情になっているのだと思います。

それでもなぜ私が現世を生きているかというと、とにかく周りを楽しませるのが大好きで多くの友達に恵まれた息子倖が「友達に同じ思いをさせないでほしい」と遺影から訴えているように思えてならないためです。私は残りの人生を息子の声なき声を代弁するために捧げることを決意しました。会社も退職し、生活の中心を交通犯罪撲滅活動の推進に変えて日々活動しています。

この投稿は私たちの悲劇を知るのではなく、これから生きとし生ける人々がより安全で健やか
に、そして明るい未来を過ごせるためにどのように社会を変えていかなくてはいけないのか、そう考えるきっかけとして受け止めていただければと思います。

2. 倖について

息子倖についてご紹介します。
倖は2014年8月23日に私たち夫婦の三男としてこの世に生を受けました。

六歳離れている長男、そして四歳離れている次男の良いところも悪いところもしっかり真似をしながらすくすくと成長し、いつも明るさを絶やさずに周囲を楽しませようとする愛嬌を持ちながら育ってくれました。

今でも家の周りをたくさんの友達と走り回っている姿や、家族の前でふざけている姿が目に浮かびます。
私たち家族にとって倖はまさに希望そして太陽のような存在であったと思っています。