会員オンラインミーティング「クルマ社会をどうする?」第3回を開催しました!

2.半地下駅などをコアとしたソフトモビリティゾーン

小栗さんより、長年のフィールドワークに基づいた「駅と街の一体化」および、車を主役にしない「ソフトモビリティゾーン」の構想についてご提案いただきました。

<具体的なトピック>

●駅による「街の分断」を解消する:

地上駅は、街に「駅裏」という寂れたエリアを作ってしまう傾向があります。これに対し、駅を「半地下(または地下)」にすることで、駅の表裏をなくし、街全体を回遊性のある空間に変えることができるとの提言がありました。 具体的な成功例として、谷地形をうまく利用して南北自由通路と商業施設を一体化させた「金山駅(名古屋)」や、地下化により駅上部が賑わい空間となった「下北沢駅」、地方都市ながら地下化により善光寺への参道を再生させた「長野電鉄」の事例が紹介されました。

●ソフトモビリティゾーン構想:

自動車の進入を排除または極端に低速化(ソフトカー)させ、歩行者を中心とした「ソフトモビリティゾーン」とする構想です。

●コストは「投資」である:

地下化には莫大なコストがかかり、国の連続立体交差事業の採択基準(人口規模等)も壁となります。しかし、大阪の「うめきた(グラングリーン大阪)」のように、貨物線を地下化し巨大な緑地を創出するような動きは、都市の価値を高める「投資」として捉えるべきであり、地方都市再生の切り札になり得ると語られました。

〈質疑・ディスカッション〉

議論では、「鉄道の構造以前に、駅前の一等地を『巨大な道路とロータリー』が占拠し、車が人を分断していることこそが問題だ」という意見が出されました。 これに対し、オランダ・ロッテルダムの道路地下化の事例や、大阪・なんば駅前広場の歩行者空間化(広場化)の事例などが挙がりました。 また、「地方財政を考慮すると地下化はハードルが高い」という指摘に対しては、小栗さんより「地下化が唯一の解ではない。LRT(路面電車)のように地上(サーフィス)であっても、車を抑制し、人間中心の速度感で共存できるならそれで良い。重要なのは『車を主役にしない』ことだ」との回答があり、参加者の共感を呼びました。

3.まとめ

今回のミーティングでは、統計データという「客観的視点」と、空間デザインという「都市計画的視点」の双方から、クルマ社会を問い直すための具体的な材料を得ることができました。終了後のフリートークでも、上岡さんより「国土数値情報(国交省)」を用いた廃止バス路線の追跡方法などが共有されるなど、最後まで密度の濃い情報交換が行われました。
話題提供いただいた上岡さん、小栗さん、そして遅い時間まで熱心にご議論いただいた会員の皆さま、ありがとうございました。

なお、次回は1月31日(開催済み)次々会は3月27日の開催を予定していますので、奮ってご参加ください。

担当:小路泰広、青木 勝