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おわりに
駐輪場の調査をするにあたっては、当然のことながら自転車で都心部を訪れるようにしていたのですが、その間何回も「ぐるっとあたりを見回しても一時利用可の駐輪場が見当たらない」「しょうがないのでブロックを一周したけれどもやっぱり見つからない」といったことがありました。しかたがないので最終的にはスマホをちまちまと操作して駐輪場を運営する会社のウェブサイトで地図を確認するようにしていたのですが、この地図も細かく分割されていたり現在地が表示されなかったりして、駐輪場探しはなかなかにストレスのたまる作業でした。各所に配置されている「この周辺は自転車放置禁止区域です」看板に、せめて最寄りの駐輪場がわかる地図を貼っておいてくれないか、という提案をしたこともあるのですが、残念ながら対応していただけていません。
私たちが求めているのは「自転車を駐めたいときにそれほど遠くない駐輪場がぱっと見つかる」ようになること。そのためにつくられたのが「自転車等の放置の防止に関する条例」であり、そこには「市」「自転車利用者」「自転車販売店」「鉄道事業者」「施設の設置者」など様々な主体に対してそれぞれ果たすべき義務というものが定められています。しかしながら現状を見るに、自転車利用者のみがその義務の履行に関して非常に厳しい取り扱いを受けていると言わざるを得ません。この不均衡を是正してほしいとお伝えすることが本記事の目的なのですが、自転車利用環境の改善のためには他にもっと有効なやりかたがあるかもしれません。そうしたものに心当たりがおありでしたら、ぜひとも私たちと共有していただけますようお願いしつつ、このあたりで筆を置きたいと思います。
(愛知県名古屋市在住)