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【質疑応答】その2
Q5. ①個人やママ友の集まりで安全に関する懸念を持ったとしても、PTAや自治会の合意を取り付けたりワークショップを開催したりというのは相当にハードルが高い。また行政に意見を伝えても逃げられてしまうことも多い。結果につなげるためのアドバイスをいただきたい。
②こと子どもの交通安全となると専門家であっても「子どもを教育するべし」などといった主張が珍しくない中、先生のように道路を変えていこうと言ってくださる方がいてたいへん心強い。これまで取り組んでこられたモチベーションの源泉は?
A5. ①経験からするとやはり人数を集めての訴えのほうが成果につながりやすい。少しずつでも、関わる人を増やしていってほしい。行政側の担当者の手応えが薄かった場合は自治体の首長に直接お願いするという手もある。
②私は昭和33年生まれで、交通事故の死者数がピークを迎えたまさにそのころ子ども時代を過ごした。友だちが事故に遭ったこともある。それ以来ずっと「車は危険なものだし、子どもがあんな目に遭ってはならない」と思い続けていまの私があるといえる。
Q6. ハンプやスムーズ横断歩道の設置場所を最終的に決めるのは道路管理者、それとも住民?
A6. 設置要望・提案はどちらからでもありえるが、大きなものなので、場所を決めるためにはさまざまな法律や制限を把握している必要がある。最終決定はそうした専門知識を備える行政側が行うことになる。
Q7.生活道路の法定速度が30km/hに引き下げられるが、センターラインのある道路は対象外。狭い道路で歩行者を端に押しやって無理やり2車線にしたところは多い。また低速走行、自動運転を受け入れてもらうために保険料割引あるいはポイント付与といったインセンティブ、ゲーム感覚を取り入れるのも有効かと思うが、 30km/h制限の次の一手としてどのようなビジョンをお持ちか。
A7.現在でも安全運転で保険は安くなるが、そもそも交通事故を起こす人物はそういったことに興味がない。人ではなく車や道路でなんとかしなければ。生活道路の法定速度が30km/hになること自体は、現状の60km/h制限がおかしいという認識の確認としては意味があるが、具体的な効果があるかというと疑問。むしろ「法定速度が30km/hになれば対策はそれで十分だ」と考える自治体や警察が増えるのではという危惧がある。センターラインの有無にかかわらず、ドライバーの意識に働きかけ、速度を出さない、出せないようにする道路になにがなんでもしていきたい。
Q8.致死率が大きく変わる速度だということで30km/h制限なのだろうが、重傷ですんでよかったねという話にはならない。既存のゾーン30はゾーン20にするなどわかりやすい大きな流れを作れないか。
A8.残念ながら警察は30km/hより低い制限速度は認めないと言っている。ハンプなどのデバイスで実勢速度を下げるしかない。