警察庁で面談しました(1)

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榊原茂典(代表)

先般送付した『自動車の速度抑制対策、歩車分離信号の増設を求める要望書』、『自動車運転免許の認可基準の強化を求める要望書』に関して面談を申し入れていたところ、警察庁から面
談の機会を作ってもらえましたので、以下に報告致します。

今回の面談は、佐藤清志世話人が交通事件遺族として警察庁交通部門の担当官と懇談の機会があり、それが契機となって実現したものと考えています。なお、面談記録については、井坂
洋士さんのメモをもとに榊原が加筆しまとめました。

開催日時:2018年5月21日15時から16時
開催場所:警察庁内会議スペース
警察庁:警察庁交通企画課 星野 優警部
問い直す会:榊原茂典、足立礼子、佐藤清志(以上、世話人)、
井坂洋士(地域活動連絡係)

(以下、敬称略)

●自動車の速度抑制対策等の要望について

[星野]直接の担当ではないので確定的な回答はできないが、窓口としてご意見を受けて各担当に伝えたい。

[榊原]まずは「自動車の速度抑制」の方から。要望の骨子は4つある。

  • 一般道の速度を抑制し、違反取り締まりを強化してほしい。
  • ゆっくり走ることのメリットを発信してほしい。
  • ゾーン30のより低速への発展と拡大をお願いしたい。
  • 完全歩車分離式信号を増備して貰いたい。

[足立]規制速度緩和について、警察庁からは「過去に住民等の理解が得られなかったところもさらに速度アップをしていきたい」という見解が示されているが、そこまでして速度を上げる意図はどこにあるのか。
一般道では自転車や歩行者と共存するところがあり、事故リスクが高くなる。通達にも「一部に事故増加もみられる」とも書かれている。
警察庁では一方で「ゾーン30」増設も進めているが、大小の道路が混在する日本で、一部道路で規制速度緩和をすると、ドライバーの「ゾーン30」への理解がさらに減退する懸念もある。
速度違反運転が多く、信号のない横断歩道で止まらないクルマが9割という現実にみるように歩行者軽視の運転が横行する中で、規制速度を緩和すれば、危険がさらに増す。
歩行者はやがて道路を歩くのが嫌になってしまうのではと危惧する。

[井坂]何がハードルか知りたい。地域で自転車に乗る主婦などが怖がっているのは自動車。原則車道通行だが、車道は怖くて走れないと聞く。
特にクルマの速度を危険に感じている。違法駐車も怖い。規制速度緩和は自転車利用者、歩行者の目線で再考していただきたい。

[佐藤]「ゾーン30」の推進に関連して。東京の四谷警察署管内の花園小学校一帯が「ゾーン30」になったが、もともと20km/h制限の道路で、歩行者が多くて20km/hでも走りづらいところだった。ゾーン規制がかかることで30km/hになったのだろうが、20の数字を削り取って30に書き直しているのは異様。これでは引き上げではないか。「ゾーン30」の趣旨がしっかり住民に知らしめられるならいいが、単に制限速度が20km/hから30km/hになったという認識の人が多いのではと心配している。おかしな方向にならないように、啓発が必要では。

路面に「20」と書かれた文字が消された跡が残る道路の写真です。

花園小学校一帯の「ゾーン30」。元の制限速度を示す「20」の路面標示が消されている。

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