杉田正明
私は代表の器ではないのですが、世話人の中で一番年上ですのでお引き受けしました。体力、記憶力の甚だしい衰えを感じており、数年が限界でしょうから、数年以内に他の方にバトンタッチすることを目指してやれることをやろうと思っています。
私たちの会は、会員の各自が、自分のやれること、自分のやりたいことを、1人で、できるなら協力して、さらにできるなら会として、やると言うことの積み上げだと思っています。個々の人がやれることで頑張っていただければ活気が出てくると思っています。
それぞれの地域で、やれる人は、1人で、あるいは仲間と協力して、分離信号を要求したり、ハンプを要求したり、自転車道を要求したり、歩道橋や地下道のあるところでの地上の横断歩道を要求したり、・・・していくことが重要と思います。また現実的な条件があるならば、仲間と、あるいは組織に入って、コミュニティバスを要求したり、路面電車を要求したり、ロードプライシングを要求したり、・・・していければ“楽しい”でしょう。具体的な行動が苦手な人は、クルマ社会の現実を勉強し、観察・考察を深めることもよいでしょう。そしてそれを会報に発信していただければとても結構と思います。
私自身は、問い直す会からの社会に対するアッピール発信の一端を担うことが自分に合っており、そこに重点を置きたいと思っています。先日発行された私執筆の冊子にはいくつか世間であまり言われていない知見を含めたつもりです。冊子の柱ともいうべきいくつかの項目から、今年度、自動車の安全性能基準制定と自動車に対する社会的費用課税を会の重点テーマとして取り上げることが総会で承認されました。これに取り組んでいきたいと思います。
会報の今号で井坂さんがガソリン税等に関する意見書提出について報告されています。提出した意見書については、私は個人的には不本意なところがありますが、今回の意見書提出に私が一番意義を感じているのは、「クルマ利用を削減しなくてはいけないこと、そのためにはこれまでの課税ではだめでクルマに対する課税を従来の水準より引き上げるべきこと、それを環境税とか炭素税とか渋滞税とかの比較的よく見かける概念を越えて、社会的費用全般に対する課税として主張したこと、即ち温暖化や混雑の社会的費用だけでなく、交通事故や排ガスによる喘息等の費用もクルマは負担すべきであることを主張したこと」であると考えています。道路財源の一般化は民主党も自民党も言う状況になり、その後閣議決定されました。そうした中で今回提出意見書の一番の意義は、社会的費用全般に対する課税を、(明快さに欠ける部分がありますが、)言ったことだと考えています。
(2008年7月発行 会報第52号)