足立礼子(世話人)
この前の会報117号でお伝えしましたように、内閣府が次期の「第12次交通安全基本計画(令和8~12年度=2026~2030年度対象)」のために、交通事故被害者等の団体からの意見を8月に募集しており、本会も意見書を出しました。文面は会報117号、およびホームページをごらんください。
その後、9月13日に内閣府で意見聴取会が開かれ、当会は交通事故で娘さんを亡くされたご遺族と共同代表の3名で参加しました。当会を含めて7つの交通事故被害者団体(鉄道事故を含む)が参加しており、私たちは全国脊髄損傷者連合会の方とともに会場に入りました。
会場の広い会議室には、検討会委員の学識者7名、省庁(国土交通省、総務省、警察庁、文部科学省、経済産業省、デジタル庁、内閣府)の職員12名、事務局として内閣府の担当官など7名、合わせて26名が着席していました。
1グループの説明時間は10分厳守と言われ、意見書に沿って3人で約3分ずつ、緊張しながら早口で意見を述べました。その後、検討委員のお1人から質問が出されたのでそれに答え、さらに質問が続くと思っていたら、あっさり終了となりました。後で聞くと、質問は1団体1つと決まっているとのことでした(2つ質問された団体もあったようですが)。
平日に仕事の調整をして、東京都千代田区霞が関にある内閣府まで出かけて行ったのですが(共同代表の青木さんは大阪から)、また、会場には検討委員の学識者の方々や省庁職員が大勢臨席しておられたのですが、たった10分の説明と1つの質疑でおしまい、という流れに、なんとも拍子抜けの思いでした。また、省庁職員のうち交通安全対策に関与する警察庁は1人のみ、法務省関係者はゼロ、というのも疑問が残りました。
なお、他の被害者ご遺族団体として参加された方の中にも当会会員さんが複数おられます。5年ごとに行われる意見聴取会に、もう何回も参加されている方もいます。
各団体の意見はさまざまですが、共通しているのは、弱者の人命を最優先にした交通政策を、一人でも犠牲者を出さないために事故を未然に防ぐ対策の強化を、ということです。被害者ご遺族らが、断腸の苦しみや悲しみの中で必死の思いで訴え続ける意見の数々が、形式的に「聞き置く」だけで片づけられてしまわないよう、少しでも次の基本計画に反映されるよう、関係者のみなさんで真剣に検討していただきたいと願うばかりです。