クルマ社会の諸相

カーフリーデー

投稿日:2011年4月28日 更新日:

■カーフリーデー■
後藤 昇

カーフリーデー(PDFファイル)

1.カーフリーデーとは

 カーフリーデーとは、都市の一部もしくは全部において自動車の通行を禁止し(公共交通であるバスなどは例外にできる)、自動車のない一日を体験し、都市での自動車の使い方交通や環境、街づくりなどを考える日である。9月22日に行われることが多い。日本のノーカーデー、歩行者天国とは異なる。
 カーフリーデーは1997年フランスのラ・ロッシェルの「クルマのない日」に始まり、2000年からEU委員会環境総局のプロジェクトとなり、現在2,000を超える都市が参加しており、世界レベルのイベントとなっている。アジアでも韓国、台湾、中国、モンゴルの都市が参加している。
 現在は9月16日から22日までモビリティウィークとして規模を拡張し、交通や環境に関するキャンペーンを行い、この期間の中でカーフリーデーが行われる。

2.日本における開催状況

 日本では、2000年に市民団体が東京で取り組んだのが最初である。
 ヨーロッパと連動して本格的な活動が始まったのは、2004年にEU本部から日本担当ナショナルコーディネーターが公認されてからである。この年に、横浜市が市民団体主体、名古屋市が行政主体、松本市が行政・市民団体・協働で始まった。
 2009年には、さいたま市、春日部市、横浜市、逗子市、松本市、福井市、名古屋市、高松市、那覇市の9都市で行われた。
 2010年には、仙台市、さいたま市、春日部市、横浜市、逗子市、松本市、福井市、高松市、那覇市の9都市が参加している(仙台市が新たに参加し名古屋市が外れた)。
 日本の参加は、残念ながら正式参加ではない。正式参加するには少なくとも行政が主体となり、恒常的な交通施策の実施(たとえば、バス、トラム路線の開設、道路空間を自動車以外の交通手段に再配分など)が条件である。日本では特別に、正式参加の条件を満たせなくとも、市民団体でも参加可能とされている。
 また、暦の休日の配置もあり、9月23日(秋分の日)の参加も認められている。
 現在、日本ではカーフリーデーについては、まだその存在がよく知られていないというのが現状といってよい。そのため、日本のカーフリーデーの元締めであるカーフリーデージャパンが、各地でカーフリーデーを紹介する集会を開いている。10年度は仙台、東京、大阪、福岡で開催された。また、市民団体によるパネル展示も東京、岡山で行われた。
 カーフリーデーに向けて、上記都市以外にも、東京港区、国立市、つくば市、富山市などで市民団体の動きがある。
 今後、急激に参加都市が増える状況にはないが、徐々に参加都市が増え、カーフリーデーが国民に知られるようになると思われる。

参考 カーフリーデージャパンのホームページ http://www.cfdjapan.org/

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