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2019/4/30「池袋での自動車暴走事件に関し、実効ある予防策を求める声明」

投稿日:2019年4月30日 更新日:

クルマ社会を問い直す会は、池袋での自動車暴走事件に関し、実効ある予防策を求める声明を、警察庁、国土交通省および報道機関各社に送付しました。(2019/4/30)

池袋での自動車暴走事件に関し、実効ある予防策を求める声明

池袋での自動車暴走事件に関し、実効ある予防策を求める声明

2019年4月30日
クルマ社会を問い直す会

2019年4月19日、都内池袋の都道で、高齢男性の運転する乗用車の暴走により母子2人が死亡、8人が重軽傷を負う悲惨な事件が起きました。こうした事件は頻発しており、その背景にはいくつかの重大な要因が潜んでいます。その要因を見据えて抜本的な対策をとれば、同様の事件だけでなく交通事故全般を大きく減らすことにつながります。その観点から、私どもの会は下記の対策の早期実施を強く要望します。

1:自動車に、可能な限りの危険防止装置の装着を義務づける

時速100㎞を大きく超過する走行性能を持つ自動車は、暴走すれば人を殺傷する危険物となりますが、その安全は、ほとんどドライバーの運転操作という極めて不確実なものに委ねられている状態です。ドライバーが誤ってもしくは故意にアクセルを踏み続けた場合、暴走を止める手段はありません。人と交わる公道を走る乗り物として現状の自動車は安全性に欠陥があると言わざるを得ません。
暴走に限らず走行中の種々の危険事態を未然に防ぐには、以下のような危険防止装置の装着を「義務づける」ことが必要です。池袋の暴走事件も、これらの装置が装着されていれば歩行者被害を食い止められた可能性があります。現在開発途中や未開発のものもありますが、早急な開発、実用化を望みます。

  • アクセル・ペダル踏み間違い時の加速抑制装置
  • 衝突予防装置(前方に人がいればどんな速度での走行時も急停止する装置)
  • デッドマン装置(運転者の居眠り・体調急変時の緊急停止装置)
  • 車の同乗者が押せる非常停止装置
  • 異常走行時警報発信装置(法定速度を一定以上超えた速度で走行した場合や蛇行など異常運転時に、車内および車外に強い警報を発する装置。)

そのほか、酒酔い運転防止装置、制限速度遵守装置、一時停止遵守装置、車外エアバッグ(人が撥ねられて車体にぶつかった際の衝撃を緩和させる装置)など。

2:運転免許取得のチェック、認可基準を強化する

上記のように現状で安全を委ねざるを得ないのはドライバーですが、その質は担保されていません。一度運転免許を取得すれば長期間、運転がへたでも心身不調でも注意力散漫でも遵法意識が欠如していても運転できてしまいます。運転技能や心身機能も年月とともに変化しますが、免許更新時のチェックはほぼないに等しく、75歳以上の高齢者には認知症検査が導入されたものの基準は甘く、有効性が薄いと指摘されています。また、人は加齢とともにとっさの判断力、瞬発力、視力、聴力、足腰の力など、運転に不可欠な能力も低下し、循環器などの有病率も高くなりますが、その充分な検査もされていません。運転免許認可は人命の安全を第一に、厳格化を求めます。

  • 免許取得・更新希望者全員に運転技能・資質検査、循環器系を含む運転に関連する詳細な健康検査を義務づけ、厳しい判定基準を設ける。
  • 健康状態、違反率などの状況により免許の有効期間を1~2年に短縮する。(詳細は2018年3月30日提出「自動車運転免許の認可基準の強化を求める要望書」に記載。)

★当会では、これまでにも関連する要望や声明を何度も関係省庁及びマスコミに出しており、関係省庁と面談も行っています。
主なものを以下に記します。会報にて公開しております。

  • 2018年3月「自動車運転免許の認可基準の強化を求める要望書」(会報92号)
  • 2017年1月「高齢ドライバーによる事故についての声明」(会報87号)
  • 2016年12月「ストップペダル」の有効性を国交省で説明(会報87号)
  • 2015年11月「最近の重大交通事故を教訓とした緊急要望」(会報83号)
  • 2011年9月「自動車運転免許取得・更新時の、医学的・技能的・資質的運転適性検査の義務化を求める意見」(会報66号)

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