足立礼子(共同代表)
コロナ自粛中、違法運転の車による死傷事故が増えたことから、以下の緊急対策要望を警察庁長官と内閣府交通安全対策室に提出し、主要新聞社にも送りました。
(この要望がyahooニュースで紹介されました。)
警察庁長官 松本光弘 様
クルマ社会を問い直す会 共同代表 青木 勝
共同代表 足立礼子
新型コロナウイルスによる自粛要請で自動車走行量が減り、交通事故全体は昨年比で減少傾向にあるものの、道路が空いたことで都市部などではスピード違反や不注意運転によるとみられる死亡事故が増えています。歩行者や自転車利用者の被害も多く、休校で自宅待機中の児童・生徒が犠牲になる事故も相次いでいます。
日本では以前から歩行者など交通弱者の死亡率の高さや、ドライバーの交通弱者軽視が問題になっていますが、コロナ危機という状況下でさらに被害者を増やすことは断じて許されません。コロナの緊急事態宣言によって生じる人命リスクは、国が責任をもって防ぐべきものです。交通事故の抑制は、コロナ対応に追われる医療機関の負担を緩和し医療崩壊を防ぐうえでも重要視されています。以下の対策を、緊急対策として実施していただくよう、強く要望いたします。
〔1〕ドライバーに次のことを強く呼びかけてください。
①道路の制限速度を厳守し、慎重な運転をすること。特に歩行者・自転車通行者の安全を守るため、市街地や住宅街では時速30㎞を超えない低速走行の徹底を、その理由(クルマが歩行者に衝突した際の歩行者致死率は時速20~30㎞では0.9で、時速30~40㎞ではその3倍に上がる)とともに、強く呼びかけてください。
②不要不急のマイカー利用を控えること。
※イギリスでは、国営医療サービスが市街地での速度規制を30㎞/h相当に強化するよう、声明を出しています。
〔2〕1について、地方自治体および、テレビ・新聞など報道機関にも協力を求め、コロナ関連に劣らない広報を徹底して行ない、国民への周知徹底を図って下さい。
〔3〕速度違反や不注意運転抑止のため、抜き打ちの取り締まりを強化し、移動式オービスや既設の防犯カメラも活用して、違法運転の摘発に努めてください。また、これを機に、今後のスピード違反抑止のためにも役立つ移動式オービスを増やしてください。
〔4〕「この道路はスピード違反が多い」といった地域住民からの情報を受ける窓口(電話番号やメールアドレス)を設け、寄せられた情報に迅速に対応してください。
〔5〕住宅街などの生活道路では自動車進入禁止区域を設け、家にこもりがちな子どもや高齢者が外に出て安全に散歩などができる空間を確保してください。