③歩道のデザイン ~素材と平坦化について~
歩道の素材については、適度に弾力性と浸水性があるものがよく、石畳や細かいタイルは白杖や車椅子の車輪が挟まること、車椅子の方に振動が負荷と不快を与えるから望ましくないということでした。
平坦化については以前から会員の間で議論がされていたことです。住民の車の出入りのために歩道を斜めに切り下げることをやめて平らにすることです。現在、行政の方針はどうなっているのでしょうか?
私の住まいは松戸市で、常磐線と千代田線の北小金駅東口から徒歩で15分程の場所にあります。両側に2.5メートルほどの歩道があり、1車線ずつの車道が国道6号線に交差するまで続いています。昔の道路で、車道と歩道の高さが違います。かつては水戸街道の宿場があった歴史ある街道筋の道路です。昔からの店舗はほとんど閉店し、代替わりして、建て替えられ、新しい住宅が増えています。ところが新旧入り交じった住宅の住人の車の出入りのために、歩道幅の半分~2/3が斜めに切り下げられたままなのです。道路を修復する工事の様子を見ていたことがありますが、残念ながら、ご丁寧に以前と同じように傾斜をつけていました。そのため、今もなお歩道は波打っています。行政側には今後歩行者の視点に立って、歩道の切り下げの幅を少なくする、できれば全部フラット(平坦)にして、車段差プレートなどで対応してもらうことを提案し、調整して頂きたいと思います。
この歩道は小学校や幼稚園の通園、通学路であり、寺の参道でもあり、駅までの通勤路でもあります。沿線住民の権利と主張されれば、返す言葉が見つかりませんが、1日数回の車の出入りのために多くの子どもや市民がなぜ、平らな歩道をゆったりと使えないのでしょうか?
若い方は気にならないかも知れませんが、私達高齢者は、バランスをとるためにストレスを感じます。車椅子利用者、車椅子を押す人、手足にマヒがある方、シニアカーに乗る方にはストレスどころでなく、危険です。更に歩道は手押し車、ショッピングカート、ベビーカーを押す方も使います。ここでも「道はだれのものなのか」と投げかけたいと思います。それでも車道との境界のポールの位置を変えて、歩道スペースを広くしたり、連続して歩道を平らにしてポールを設置したり、少しずつ改善されたなと思う場所もあり、喜んでいます。
先日、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」で、シニアカーが車道を走っていることが取り上げられました。私は足が弱っていて、長い歩行が辛くなっています。それで電動アシスト自転車を近場の用事に使っています。専用自転車レーンはありませんが、車道は危険を感じても平らなので走り易いです。だから、シニアカーに乗る高齢者が車道を走りたい気持ちがよく分かります。TVで報じられていたように、高齢者が法律違反と知りながら車道を走っていたのは、歩道が一部は広くても途中に段差があったり、切り下げられて傾斜していたり、急に狭くなったり、電柱などの障害物があったりして、シニアカーで連続して安全に走ることができない危険と苦労を知っているからだと思います。