提言・提案・意見表明

交通負傷事故の多くが物件事故扱いにされてきた問題の原因究明と是正を求める要望書

投稿日:2021年6月30日 更新日:

交通負傷事故の多くが物件事故扱いにされてきた問題の原因究明と是正を求める要望書
令和3年(2021年)6月27日 
(金融庁長官あては2021年7月5日)

警察庁長官 様
国家公安委員長 様
内閣府 交通安全対策 担当責任者様
検事総長 様
国土交通大臣 様
金融庁長官 様

クルマ社会を問い直す会
http://toinaosu.org/ 

 警察庁発表の交通事故負傷者数は、平成16年(2004年)の1,183,617人をピークに急激に減り、平成30年には525,846人と半分以下になっていますが、その間の自賠責保険の傷害件数は横ばいであり、負傷者は減っていないことを示しています。この数値の大きな乖離は、人身事故の多くを物件事故扱いにしてきた結果であることが、金融庁設置の「自動車損害賠償責任保険審議会」の議事録で明らかにされています(保険評論家・加藤久道著『交通事故は本当に減っているのか?』でも指摘の通り)。また、交通事故問題を多く扱う弁護士からも、被害者が通院や入院治療の必要な負傷をしても警察官が物件事故扱いにしようとする例が少なからずあることが報告されています。この実態は、次のように重大な問題を含んでいます。
① 負傷者がいる事故を人身事故としないことは、刑事訴訟法に抵触するおそれがある。
② 加害者の罪を見逃すことになり、ひいては道路交通法違反行為を容認することにもなり、交通事故を増やす温床となる。
③ 被害者が加害者の処分に不服申し立てをしたり事件記録を見たりする権利が奪われる。
④ 全ての公的統計は国民の実態を示す重要な記録であり国民の財産でもある。中でも交通事故統計は交通事故から国民を守る対策の元になるものである。その数値が現実と大きく乖離していては、実態を踏まえた適切な交通安全対策を行う上で大きな支障をもたらす。
⑤ 実態と大きく異なる負傷者数をもとに国が交通安全基本計画の目標を立て評価するのは、国民への背信行為ともいえる。今後も負傷事故の多くを人身事故として扱わず、実態と異なる負傷者数を公表し続けるなら、警察不信のみならず国政不信をも招くことになる。
 以上のことから、次に記す早急な原因究明と、法に則った適切な対応改善を求めます。この問題に関与する関係機関それぞれの回答をお願いいたします。
1 負傷者が出た事故で、本来人身事故とすべきものを物件事故扱いにするようになった理由と経緯について、警察庁ほか関係機関の見解を教えてください。
2 上記の経緯に関して、第三者調査機関を設置して問題を明らかにしてください。
3 負傷者のいる事故は人身事故として扱うという法に則った原則を、至急徹底実施することを求めます。例外的に物件事故扱いにするものについてはしかるべき明確な定義を設け、国民にも周知の上で実施することを求めます。
4 近年の物件事故について可能な範囲でさかのぼって確認をし、本来人身事故扱いとすべきもので修正可能なものは手続きをし直してください。
5 今後の交通事故統計には、負傷者数が正確でない該当年とその理由を付記すること、過去の公的文書(交通安全基本計画、交通安全白書、等々)の数値についても、ホームページ等で可能な限り訂正を記すことを強く求めます。
以上

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