清水真哉
「カーチェイスは禁止に!」
去る11月14日、愛知県岡崎市の交差点で、白バイに追跡されていた車が軽乗用車と衝突し、軽乗用車に乗っていた赤ちゃんが死亡しました。由々しき問題で、警察の責任が厳しく追求されなくてはなりません。警察による業務上過失致死と認定してもよい事件です。
現在、恐らく警察は、逃亡する被疑者がいた場合、条件反射的にパトカーや白バイによる追跡をしているのではないかと思われます。その際、追われた運転者が冷静な心理状態でなくなることは当然予測されることで、そこで起きた事故に関して、逃走を図った被疑者が悪いで済む話ではありません。今回の死亡事故は、起こるべくして起きたというしかありません。
警察は決まって「追跡の方法に問題はなく、適正だった」とコメントしますが、市民の安全に対するこの鈍感さは厳しく断罪されなくてはなりません。
危険な追跡をしなくても逃走車両を警察官が目視すれば、車両ナンバー、車種などにより、身柄の確保は後にでも十分可能なはずです。
後方からの追跡は道路上でのありうべからざる危険行為であり、警察による被疑者の身柄確保よりも他の道路交通参加者の安全の方が絶対的に優先されるのだということを、警察は肝に銘ずる必要があります。
また市民にも、警察が犯人を追跡するのは当然という常識があるようで、啓蒙が必要なのかも知れません。
イギリスでも同様の事故があり、市民団体が批判をしているという記事を目にしました。この問題は「クルマ社会を問い直す会」としても一つの課題とすべきと思っています。
(2009年1月発行 会報第54号)