小島 啓
生活道路で速度を出す車や、自転車のすぐ近くを勢いよく過ぎていく車、横断者を妨害する車が多く見られ、車同士の事故も頻繁に起きています。これらの対策として、安全運転の呼びかけや取り締まりの強化、運転者の教育、道路の改善等、様々な方策が考えられますが、呼びかけだけで行動を変える人は非常に少ないと考えられ、全運転者に追加で教育をすることもハードルが高いと思われます。道路の改善についても、例えばゾーン30プラスやトランジットモール(一般車の進入制限)、分離された自転車道等、いくつかの改善策が一部で導入されていますが、効果が限定的であったり、あらゆる道路に早急に普及させるのは困難であるという問題があります。
しかしながら、交通事故死傷者数は未だゼロにはほど遠く、日々多くの人が死傷し続けているため、早期実現性と効果がある程度高いと考えられる対策を提案します。
現状の道路の問題点
まず、現状の道路には多くの安全上の問題があると考えられ、主な4つを下記に列記します。
①路側帯が狭い、無い
路側帯の線がある場合、その線は車の幅を基準に引かれていることが多く、道路幅が狭かったり電柱等がある場所では路側帯が非常に狭くなっています。これにより、歩行者は路側帯からはみ出して通行せざるを得ない一方、車の運転者は、線の内側を車が通る場所であって歩行者や自転車は侵入してこない、そして侵入してくる人が悪いと誤認する可能性が高いため、事故の危険性を高めています。
また、路側帯の線が無い場合も、車の運転者は道路幅全体が車の通る場所のように誤認する可能性があり、線がある場合と同様の危険があります。
さらに、車はキープレフトのルールがあることや対向車が来ることを考慮して、路側帯に沿って左寄りを走ることが多いですが、左寄りを走ることは歩行者や自転車に接近したり飛び出しへの対応が困難になるため、危険性が増大します。特に中央線があったり中央線がオレンジ色である場合(はみ出し禁止)は、危険性をさらに高めています。