2024年4月20日の講演に引き続き行われた宮田さんと岡田さんとの対談会の内容です。
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岡田さん まずは自己紹介から。私は岐阜県岐阜市の出身で、子どものころはどこへ行くにも自転車でした。宮田さんの講演では、親子が横に並んで自転車に乗っている様子がたびたび登場していますが、自分が小さかったときはいつも狭苦しい歩道を前後に並んで、親の背中を見ながら走っていました。パリのスクールストリートの写真では子どもたちがケンケンパで遊んでいましたが、道路はあんなふうに、もっと子どもが楽しく過ごせる場所でなくてはいけませんね。
車社会に疑問を持つようになったきっかけは、 2019年の東池袋暴走事故と、続く大津市園児死傷事故の報道を見て、子育てをする身としてまったく他人事ではないと感じたこと、そして自動車交通の危険性についてシステム的な問題を問う声がなく危機感を抱いたことでした。まずは身の回りの方々への訴えかけを始めたのですが、話を聞いてくださってもポカンとされる方が多く、これはどうしたものかと困っているときに、会に出会ったのです。
医師になるために学んだ生物、生命の仕組みの見事な完成度には感心するほかありません。それをたやすく押しつぶしてしまう自動車の破壊力、そして自動車利用が他に危険性や負担を押し付けている社会、そうしたものがこのままでいいとは思えません。ただ、交通の問題を解決するには、交通にだけ注目するのではなく社会全体を見渡す必要があるように思います。
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